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とちぎの文化財

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2006.08.22

【屏風岩石材 石蔵(西蔵、東蔵) 附西蔵棟札】

  • 文化財種類:県指定等文化財
  • 市区町村:宇都宮市
  • 区分:有形文化財(建造物)
  • 種類:指定

(びょうぶいわせきざい いしぐら(にしぐら、ひがしぐら) つけたりにしぐらむなふだ)

●指定年月日

平成18年8月22日指定

所在地

宇都宮市

アクセス方法

 

公開状況  

公開

所有者又は管理者

個人所有

●文化財概要

宇都宮市西部の大谷町を原産地とする凝灰岩は、「大谷石」の名で全国に知られている。現在でも大谷町には、大小の石材店や大谷石を用いた建造物が点在し、さながら「石の町」の様相を呈している。その中にあって屏風岩石材の2棟の石蔵は、規模といい意匠といい歴史といい、まさに石の町・大谷を代表する風格を備えている。
 屏風岩石材 石蔵は、大谷町の中心部、大谷街道の北側に敷地を占める。街道に面して一段高く冠木門(かぶきもん)が開かれ、その両側に大谷石を積んだ2棟の石蔵(西蔵と東蔵)が並び建つ。
 現存する棟札墨書によって、西蔵が明治41年の竣工、東蔵が明治45年の上棟であることが確認できる。
 これら2棟は明治末期に建設されたほぼ同じ規模の石蔵であり、外観はともに、軒や窓廻り、壁面の扱いなど、この種の建物では珍しく濃厚な洋風意匠でまとめられている。それでいて、居住用に建設された西蔵(座敷蔵)は、より本格的な洋風意匠を採用しながら曲線や繊細な装飾を用い、倉庫(穀蔵)として建設された東蔵は、硬く力強い表現が目立つなど、異なった特徴を有している。いずれも設計は、当時の店主渡辺陳平が自ら手がけたと言われているが、見よう見まねだけでは出来ないまとまりと巧妙さが感じられる。なお、渡辺陳平は、大谷石産業の発展に尽くし、大谷の「石材王」とも称された人物で、旧河内郡城山村(現、宇都宮市大谷町)村長、栃木県議会議員、衆議院議員などを歴任した。
 大谷石を用いた石蔵は、大谷町を中心に県内各地に数多く分布しているものの、比較的小規模かつ新しいものが多い。明治中期以前の古い石蔵も散見されるが、原則としてそれらは木造の骨組みに薄く切った石板を張り付けたもので、全国的にみても、この種の石蔵が石材を積み上げた純然たる石造建築として普及するのは明治後期以降と考えて良い。また外壁の洋風意匠には、屏風岩石材の2棟の石蔵に用いられている意匠と極めてよく似通った例が多い。すなわちこれら2棟は、石蔵としては初期の本格的な石造洋風建築であるとともに、大谷町を中心に普及したその後の石蔵のモデルにもなった貴重な遺構ということができよう。