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1998.01.16
【群仙人図二所物(小柄・笄) 銘 菊池政長(花押)】
- 文化財種類:県指定等文化財
- 市区町村:宇都宮市
- 区分:有形文化財(工芸品)
- 種類:指定
(ぐんせんにんずにどころもの(こづか・こうがい)めいきくちながまさ(かおう))
●指定年月日
平成10年1月16日指定
●所在地
宇都宮市中央
●アクセス方法
●公開状況
●所有者又は管理者
個人所有
●文化財概要
朧銀麿地に片切彫、毛彫を駆使して、中国の故事に取材した仙人と松の老樹を彫っている。
小柄は右端に松の老樹と、その左方には蝦蟇を頭上にのせた蝦蟇仙人、中央の後姿は巻物を開いているところから寿老と思われ、その左には瓢をかつぐ張果老、左端には杖を持つ鉄拐と思われる5人の人物を彫っている。
笄も小柄同様右端に松の老樹とその左方に前髪を切り杖を携える人物、中央には蝦蟇仙人、左端には頭巾をかぶる人物の3人が彫られている。
小柄・笄とも松の樹幹にはえる苔や松葉の中に金象嵌を施し、まち、蝦蟇仙人の如きは眼を金象嵌により、怪異な姿を効果的に表現している。なお、他の人物の襟や袖口などにも金象嵌が施され、図柄を飾っている。
作者菊池政長については、生没年とも不詳であるが、本姓は植田氏、水戸に生まれ江戸に出で金工を修行し、幕末頃は安蘇郡田沼の一瓶塚稲荷神社付近に住み、刀剣小遊具の製作を梁としいてたと伝えられる。如柳軒とも号して、特に中国の故事を得意とした。廃刀令(明治9年)後は、彫平と称し、煙草入金具等の製作を稼業としていたといわれている。
本作は、作者の得意とする中国の故事を片切彫、毛彫を自由に駆使して仙人の表情を巧みに表現しており、また、要所には金象嵌を施すなど、彫技の冴えが見られる優作であり、本県においては数少ない金工の出色の作品である。