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とちぎの文化財

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1952.03.29

【コウシンソウ自生地】

  • 文化財種類:国指定等文化財
  • 市区町村:日光市
  • 区分:記念物(天然記念物)
  • 種類:指定(特別)

(こうしんそうじせいち)

●指定年月日

昭和27年3月29日指定

所在地

日光市足尾町庚申山

アクセス方法

 

公開状況  

 

所有者又は管理者

日光市

●文化財概要

 タヌキモ科に属するこの食虫植物は、日本はもとより世界中でも庚申山付近と日光の男体山・女峰山の一部にだけ産する世界的珍種である。花梗と葉の表面に腺毛があり、そこにくっついた小虫を捕食する。近縁のムシトリスミレは日本の各地の高山に産するが、コウシンソウは明治二三年八月九日、三好学博士によってこの山で発見され、山の名をとって名付けられた。三好学博士が発見した時期にはすでに花が終わっていたが、花梗が二分するものがある点で、ムシトリスミレとは異なり、また、花の距の部分に黄色味がある点でも異なる。
 垂直な岩壁に生えるものであるから、花の時には花梗が上に向き。花は岩壁の外を向くが花が終わり、果実が熟する頃になると果実は岩壁に向かい、今、生えている所よりも上の岩のさけ目に種子を散らすような形になる。このようにして、垂直な岩壁に生えながら、種子が下に流されないで、いつも同じ高さのところに生育していられるのである。
 草丈五~六センチの多年草であるが、11月の紅葉のころには、岩壁を注意して見ても株は全く見付からない。また、特殊な環境に生えるものであるから、今まで培養して花を咲かせた人がいない。
 残念なことに、庚申山の指定区域で、道路から手の届くところはすべて採られてしまっている。庚申山での開花期は6月下旬で、女峰山の中腹では6月20日を中心とした1週間ぐらいが花期である。男体山には、ムシトリスミレとコウシンソウが並んで生えている所があり、開花期は両植物とも7月上旬である。