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文化財検索【大谷磨崖仏 石造千手観音立像・石造伝釈迦如来及両脇侍像・石造伝薬師如来及両脇侍像・石造伝阿弥陀如来及両脇侍像】
- 文化財種類:国指定等文化財
- 市区町村:宇都宮市
- 区分:有形文化財(彫刻)
- 区分:記念物(史跡)
- 種類:指定
- 種類:指定(特別)
(おおやまがいぶつ せきぞうせんじゅかんのんりゅうぞう・せきぞうでんしゃかにょらいおよびりょうわきじぞう・せきぞうでんやくしにょらいおよびりょうわきじぞう・せきぞうでんあみだにょらいおよびりょうわきじぞう)
●指定年月日
昭和29年3月20日指定
●所在地
●アクセス方法
JR宇都宮駅より関東バス45番系統大谷観音下車徒歩
●公開状況
公開(有料)
1~3月の第2・4木曜日、12月19日~31日を除き拝観可能
●所有者又は管理者
大谷寺
●文化財概要
大谷寺には、本尊の石造千手観音菩薩立像(大谷観音)をはじめ、石造伝釈迦如来および両脇侍像(第2龕)、石造伝薬師如来及び両脇侍像(第3龕)、石造伝阿弥陀如来及び両脇侍像(第4龕)の合計10体の仏像が見られる。いづれも凝灰岩の岩山にできた自然の岩窟を利用し「石心塑像」ともいうべき手法によって製作されたものである。
その手法は、まず岩壁面に荒彫りを施した後、塑土(粘土)で像容を整え、漆下地を行って補強し金箔を置いたり彩色を施したものである。残念ながら江戸時代の火災で塑土が剥落し、石心部が露出してしまっている。
千手観音菩薩立像は像高389cm、平安時代の初期の作である。唇や腰あたりに当時の彩色の跡を見ることが出来る。全体として下から仰ぎ見るものの目を意識した造りとなっており、そのプロポーションや全体のバランスは見事の一語に尽きる。
第2龕の3体は、最も前に傾いた岩壁を利用して作られている。像高(中尊)は354cmで平安時代末期の頃の作と考えられる。脇侍は観音・地蔵であると思われる。
第3龕は岩壁を彫り込んで、垂直に作った龕形の中にある。もともとは木の扉が取り付けてあったと考えられる。薬師三尊と伝えられているが、摩耗が甚だしく確証はない。像高(中尊)は115cmで平安時代の作。第2龕及び第4龕の像よりも古いと考えられる。
第4龕は第2龕に比してより垂直の岩壁に彫られている。本尊には蓮台座があり上方には6体の化仏が彫りだされるなど、全体が装飾的になっている。像高(中尊)は260cm.鎌倉時代初期の作と思われる。
なお、石仏の保護と剥落防止のため、昭和37年から40年まで、岩肌にアクリル・エポキシ樹脂を吹きつけ・注入する作業を行った。その際、地下から縄文時代草創期の人骨を含む遺物・遺構が発掘され、その遺物は境内の宝物館に展示されている。