本サイトはユーザーエクスペリエンスの向上などを目的に、Cookieを使用しています。
右記のバナーで「同意する」をクリックする、または本サイトを利用することによりCookieポリシーに同意したことになります。

同意します

とちぎの文化財

SEARCH

文化財検索
1951.06.09

【太刀 銘 助真 附 打刀拵】

  • 文化財種類:国指定等文化財
  • 市区町村:日光市
  • 区分:有形文化財(工芸品)
  • 種類:指定(国宝)

(たち めい すけざね つけたり うちがたなこしらえ)

●指定年月日

昭和26年6月9日指定

所在地

日光市山内

アクセス方法

 

公開状況  

非公開
東京国立博物館にて展示(不定期)

所有者又は管理者

東照宮

●文化財概要

太刀 銘 助真 一口
長さ七一・二一センチ 反り二・八八センチ 元幅三・二一センチ 先幅二・四八センチ
目くぎ穴二個
銘 助真
附打刀拵 鎌倉時代

鎬造り、庵棟、身幅広く、重ね厚く、磨上げながら腰反り豊かにつき、猪首鋒の豪壮な太刀姿は時代を物語り、地鉄は板目流れごころにやや肌立ち、乱れ映り立ち、刃文は焼幅広く、表大丁字乱れ高低あり、裏高低少なく、尖り刃まじり、足、葉しきりに入り、砂流しごころがあり、匂深く沸ついて華やかである。帽子は乱れ込んで掃きかける。表裏にやや幅の広い棒樋を巧にかき流し、中心は磨上げ、目釘穴二、勝手下りの鐘日を残し、表、下棟寄りに「助真」と二字銘がある。
助真は鎌倉中期備前の福岡一文字派に出で、のちに鎌倉幕府に召されて相州鍛治の開拓者となり、鎌倉一文字とも呼ばれた名工である。この太刀は堂々たる体配に大模様の華やかによく働いた丁字刃を焼いて、同作中第一の名作であるばかりでなく、同期備前刀の代表作と目されている。徳川家康はこれを加藤清正から贈られて愛刀としたもので家康が磨り上げたと思われる。この太刀は東照宮鎮座以来無二の神宝として伝来し、著名である。
なおこの太刀には家康の指料として、革巻柄黒蟻色塗鞘の打刀拵が附属している。この拵は柄形を黒鮫着藍革巻で輪鼓に仕上げ、赤銅鑢地の縁を用い、頭は薄手に張った角頭を巻掛けとし、目貫は赤銅蛙子交、簿はやや大ぶりな鉄丸形四葉地透し、太目の蟻色塗鞘に赤銅地の小柄(小刀は金道作)弁を添えて、黒づくめに渋くいかにも簡素ながら堅実高尚な気品が溢れ、当時の武将の嗜好が看取される。下絡は本来茶と紺の打まぜ目一の口が添えてあったが、現在は紺糸の部分だけがわずかに残っている。因みにこのような打刀拵を世に「助真拵」と呼んでいる。