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とちぎの文化財

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2005.01.25

【意匠登録見本 雲井織等4種13点(附商標)】

  • 文化財種類:県指定等文化財
  • 市区町村:足利市
  • 区分:有形文化財(考古・歴史資料)
  • 種類:指定

(いしょうとうろくみほん くもいおりなどよんしゅじゅうさんてん(つけたりしょうひょう))

●指定年月日

平成17年1月25日指定

所在地

足利市西宮町 栃木県立足利工業高等学校

アクセス方法

 

公開状況  

 

所有者又は管理者

栃木県

●文化財概要

 本件は明治中期、足利町でつくられた織物見本である。これら4種13点は、明治21年(1888)に日本で初めて定められた意匠条例に基づいて、明治22年(1889)に意匠登録第1号となった雲井織から和合絣、綾千鳥、錦線織、花錦織、新玉織、黄金織、花鳥織と続き第63号の錦名白飛織に至る9件の意匠登録当時の原品である。これら原品は国のいずれの機関にも保管されておらず、現存する唯一の歴史資料として貴重である。
 明治20年当時、織物業は不況に苦しみ、足利織物の関係者たちは製品開発による新たな活路を模索していた。これら9件の織布は、綿平織、綿綾織、絹綿平織、絹平織など織り方に創意工夫を凝らして新しい意匠を案出したもので、新製品に期待をかける足利人の熱意が結集したものといえよう。とりわけ足利市家富町(現)の機屋・須永由兵衛が案出した雲井織は、意匠登録第1号の製品として、近代史上、近代日本における知的財産権の確立期の記念すべき位置を占めている。もとより工業技術史上、足利織物の先進性を裏づける点でも意義深い。
 雲井織は、「綿縮み」と呼ばれる綿平織で、織物の全面に細かい「しぼ」を持ち、さらっとした手触りで吸湿性のある布地に仕上げられている。この「綿縮み」は、よこ糸に右撚り2本と左撚り2本の強撚糸を交互に織り込こんでつくり出したものである。雲井織の意匠は、色付きのたて糸を等間隔に配列した縞柄で、茶色と青色の二種のたて糸が布地に浮き出し、その糸のところどころに小星紋(小さい玉状のループ紋様)が織り出される点に特徴がある。