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とちぎの文化財

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2004.01.23

【木造 聖観音菩薩立像】

  • 文化財種類:県指定等文化財
  • 市区町村:芳賀町
  • 区分:有形文化財(彫刻)
  • 種類:指定

(もくぞうせいかんのんぼさつりつぞう)

●指定年月日

平成16年1月23日指定

所在地

芳賀郡芳賀町下高根沢

アクセス方法

 

公開状況  

 

所有者又は管理者

長命寺

●文化財概要

頭部に宝髻を結い、正面に半円形の花形宝冠をあらわし、そこに如来の化身である化仏を彫出する。耳朶は環状で三道をあらわし、体部には左肩から右脇に条帛をかけ下半身に折り返しの裳に腰布を重ねる。右腕は臂を曲げて腕前の手のひらを内側に向け、左腕も同じく臂を曲げて腹前で蓮華を持つ。腰を少し右にひねり、両足を開いて蓮華座上に立つ。
榧材で木心をはずし、両手をふくむ頭頂部から足元まで内刳りのない彫眼の一木造りである。表面仕上げは頭部に群青を塗り、眉毛と瞳、口髭、顎鬚を墨で描き、唇に朱をさす以外は素地のままである。
一木造りの彫刻に時々見かけることだが、肩から両臂にかけての表現が窮屈で背面もほとんど省略されて垂直に近い彫出である。下半身にまとう裳や腰布の襞の処理など宋風様式の影響も認められ、鎌倉時代も後半に入ったころの作である。
保存状態は銅板製鋳金の宝冠と白毫、持物、両足先、光背は後補である。右腕前膊部なかほどに割損があるが、現在は33年に一度御開帳する秘仏として祀られていることから比較的良好な保存状態であり、製作時期を勘案すると県内では数少ない、非常に貴重なものである。(最近では平成2年4月に御開帳している。)