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1964.12.08
【紙本墨画 松竹梅図 六曲屏風】
- 文化財種類:県指定等文化財
- 市区町村:宇都宮市
- 区分:有形文化財(絵画)
- 種類:指定
(しほんぼくがしょうちくばいずろっきょくびょうぶ)
●指定年月日
昭和39年12月8日指定
●所在地
宇都宮市桜
●アクセス方法
●公開状況
●所有者又は管理者
栃木県
●文化財概要
一双の一つには梅の老樹を、他には老松の巨幹を、それぞれ水墨で描いている。梅の老幹の逞しさと力強さとは、虹竜の池中より出でて天翔けるかの概がある。花をつけた新しい枝は、剣の如き鋭さで描かれているが、左方二葉に亘って斜に走らせた若枝は、天に向かって生気あるそりを見せ、老幹とよき対照ををなしている。一気に引かれた老幹の線、墨の流し込み、さては点苔など歳ふりさびたる老梅の表現は実に周到である。数羽のかささぎの姿態も軽快であり、変化もあり、画は一段の情趣を加えている。集団としての梅花の表現は真に迫り、肌寒き早春の雲に漂う梅ヶ香をふと想起せしめられる。 他の一隻には松の老樹が、左二葉目から三葉目にかけて四十五度位の傾斜をもって描かれている。松樹の構図は普通であるが、巨幹と共に左右に伸びた小枝の表現には、老松に直に親しんだ画家でなくては見のがしている松の秘密がある。松の肌の手触りと共に松の匂いさえも思い出させる。下草に描かれた竹も空間処理に役立っている。天保初期の作品で、靄厓の地位と名声が江戸に確立した頃のものである。