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1963.11.01
【絹本著色 前後赤壁図】
- 文化財種類:県指定等文化財
- 市区町村:佐野市
- 区分:有形文化財(絵画)
- 種類:指定
(けんぽんちゃくしょく ぜんごせきへきのず)
●指定年月日
昭和38年11月1日指定
●所在地
佐野市葛生西
●アクセス方法
●公開状況
非公開
●所有者又は管理者
個人所有
●文化財概要
田能村直入筆、六曲屏風一双
直入(1814~1907)は、田能村竹田の義子と言われる。この屏風は明治9年(1876)の筆であるから直入62歳の作であり、画技がその頂点に達した頃の力作の一つである。直入画としては珍しく覇気を抑え、綿密に構成し注意深く筆を動かした作品である。
1 前赤壁図
右方の二曲に、河岸からそそり立った山の麓を描く。岩上には亭あり、渓流はその側をこんこんと流れており、老樹は水面に枝を垂れている。次の三曲には紅衣の一隠士が羽扇で友を促している。最後の一曲は低く葦をなびかせるにとどめ、余白を充分に生かしている。これらの対比で画面に変化を与えている。
2 後赤壁図
「断岩千丈山高月小」の賦、そのままの景である。深く青い川の淵にそそり立つ絶壁の屏風、岩上の樹木も葉を落とし、枯木と化し蕭条たる姿を見せている。河しも断崖のとぎれるところに疎林あり、小さき流れが音をたてている「孤鶴横江翅如車輪」と賦にあるとおり、山の中腹を一鶴が過ぎてゆく。
本図における描写は竹田等のように細かなひだと細い線を用いている。最後の一曲に「後赤壁之賦」全文を、見事な書体で記している。