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とちぎの文化財

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2006.01.20

【絹本著色 培芝正悦像】

  • 文化財種類:県指定等文化財
  • 市区町村:小山市
  • 区分:有形文化財(絵画)
  • 種類:指定

(けんぽんちゃくしょく ばいししょうえつぞう)

●指定年月日

平成18年1月20日指定

所在地

小山市本郷町

アクセス方法

 

公開状況  

非公開

所有者又は管理者

宗教法人 天翁院

●文化財概要

 縦57.8cm、横38.8cm。作製年代は永正12年(1515)。
 「月円作半月/晦為全敬見/我儂真面目/三更昨夜月/明前/住龍泉培芝自賛」(朱印)の画賛あり。
 禅僧の肖像画を頂相と言うが、本図は一般の頂相と異なり、円相の中に培芝正悦の上半身が描かれている。像主の面貌は、細線の柔らかい淡墨線で一本ずつ丹念に描き、全体に白色顔料の下地に肌色彩色を重ねる。着衣の衣褶線は肥痩のない謹直な濃墨線で描き、全体に白色顔料の下地に褐色の法衣と朱地に金泥と緑色で花文様を描く袈裟をまとい、薄く隈取りを施して質感をあらわすなど、正悦の穏やかな人柄が表現されている。
 月輪の上に画賛があり、文中に「住龍泉培芝自賛」とある。正悦が永正12年に越前国(福井県)の龍泉寺に一年間在住しており、その時に自賛を書いたもので、生前に描かれた寿像である。
 培芝正悦(1442~1524)は曹洞宗の僧侶、上野双林寺の一洲正伊のもとで出家、下野山田大中寺で妙慶の法を嗣いで第二世となる。天翁院の寺伝によると、文明4年(1472)三月に中興開山として天翁院に招かれ、明応2年(1493)に山田大中寺へ移るまでの21年間在住した。
 県内に伝来する頂相は、大田原市(旧黒羽町)・雲厳寺の絹本著色 仏国国師像(鎌倉時代)絹本著色 仏応禅師像(南北朝時代)があるが、本図のような円相図は作例がなく大変貴重である。