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とちぎの文化財

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2002.02.15

【絹本著色 白波紅暾図】

  • 文化財種類:県指定等文化財
  • 市区町村:足利市
  • 区分:有形文化財(絵画)
  • 種類:指定

(けんぽんちゃくしょく はくはこうとんず)

●指定年月日

平成14年2月15日指定

所在地

足利市緑町

アクセス方法

 

公開状況  

 

所有者又は管理者

足利市

●文化財概要

郷土足利の誇る幕末から明治にかけての近代絵画の黎明期に活躍した田崎草雲
(1815~1898)の、64歳、明治11年(1878)制作の、パリ万国美術博覧会出品作。農商務省の要請を受け、「三寿」とともに出品。名誉賞牌受賞。
「紀元二千五百三十九年第八月 大日本草雲写 印」と落款する。旭日海波の伝統的な吉祥画、正月掛けであるが、単純明快でエキゾティックで表現主義的な日本絵画の魅力にはパリッ子も驚かされたようである。図様としては、明治7年(1874)頃に描かれた代表作「蓬莱仙宮図」の延長上にある作品で、波涛のみを描いた図の「天空海濶図」とも共通するものである。舶載明画や琳派作品、渡辺崋山作品等に触発された表現方法であるが、さすが維新後ということでの垢抜けた近代性はすがすがし い。ただ、「蓬莱仙宮図」と同様、近景・中景・遠景の三層のスクリーンを前後に配したような遠近表現はなおも若干の違和感を残している。草雲の日本男児の心意気や日本絵画のアイデンティティを鼓舞しようとの気負いも感じられ微笑ましい。
「白波紅暾図」は外国における高い評価を得た記念碑的な草雲画の秀作である。