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とちぎの文化財

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2005.08.16

【草木染】

  • 文化財種類:県指定等文化財
  • 市区町村:益子町
  • 区分:無形文化財(工芸技術)
  • 種類:指定

(くさきぞめ)

●指定年月日

平成17年8月16日指定

所在地

益子町城内坂

アクセス方法

真岡鉄道 益子駅から1㎞

公開状況  

公開

所有者又は管理者

日下田 正

●文化財概要

○内容
 藍染を主とする草木染の技術
○由来
 日下田正は、藍染の技術を父の日下田博(旧栃木県無形文化財工芸技術保持者・平成15年没)より習得するとともに、染織の第一人者である柳悦孝よりわが国の伝統的な草木染と手織の技術を習得する。
○概要
 日下田家は、江戸時代寛政初期(寛政元年・1789)創業といわれる紺屋で、日下田正で九代目となる。父の日下田博は、陶芸家浜田庄司の提唱する民芸運動に共鳴し、旧来の藍染から民芸作品の創出に取り組んだ染色家である。長男の日下田正は、父の薫陶のもと新たな世界を目指し、藍染ばかりでなく伝統的な草木染の技術および手織の技術を習得し、日下田正独自の染織の世界を切り開いた。父亡き後は、日下田紺屋の当主として活動するとともに、数多くの後継者の育成にもあたっている。  
 日下田正が行う藍染は、日下田紺屋に代々受け継がれてきた阿波藍(徳島産のスクモ)を用いた天然灰汁発酵だてによるものと、自家栽培した藍(蓼藍)の生葉染によるもので、父博が得意とした布地に型紙をあて、その上からヘラで米糊を塗り、乾いたところで藍甕に浸し、その後水洗いをして糊を取り去り模様を染め抜く型染の技法のほか、無地の布地を直接藍甕に浸す布染、原糸を藍甕に浸す糸染、所々を糸で縛った布地を藍甕に浸す絞り染(括り染)、および日下田正が考案した糸に紡ぐ前の綿を直接藍甕に浸す染など幅広い藍染を手がけている。
 織については、かつて栃木県内の自家織で幅広く使われてきた織機の流れを汲む高機や、明治中期頃まで使われ現在では結城紬の機織に使われている地機などを用い、日下田正が自ら設計した図案に基づく手織を手がけている。
 日下田正の特色は、一人で染と織の両方を手がけていることと、素材として江戸時代以来長らくわが国で普及した木綿にこだわるところにあり、かつて真岡木綿で用いられた和綿を自家栽培したり、独特な茶色の色合いを呈する和綿茶綿を栽培し、それらの材料を紡ぎ、染め、織りして、伝統の復活を手がけるとともに新しい染織の展開を図っており、染織の世界において大変貴重である。