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1950.08.29
【鉄塔婆】
- 文化財種類:国指定等文化財
- 市区町村:宇都宮市
- 区分:有形文化財(工芸品)
- 種類:指定
(てつとうば)
●指定年月日
昭和25年8月29日指定
●所在地
●アクセス方法
JR宇都宮駅より徒歩10分
●公開状況
公開
収蔵庫開館時
●所有者又は管理者
清巌寺
●文化財概要
高さ332.7cm、幅32.0cm、厚さ5.2cm。
一般的に板型塔婆は木製や石製(板碑・板石塔婆)は数多く見受けられるが、鉄製のものは現在までのところ清巌寺のものしかない。またこれだけ大型の鋳鉄製の塔婆を制作できることは、当時の鋳造技術の優秀さを物語るものとなっている。
表面には、上部に梵字2字と来迎の阿弥陀三尊を半肉彫りに陽鋳し、その下に四句の偈文(げぶん)があり、中部には願文がやはり陽鋳によって鋳出されている。その願文には「母は四恩の先なり、孝は百行の源なり・・・」で始まる文があり、このことから、正和元年(1312)に当時の宇都宮城主であった貞綱が、母親の一三回忌にあたって、供養のために建立したものと考えられている。
当初は宇都宮氏の菩提寺で田川の東側にあった東勝寺に奉納されたが、東勝寺が廃寺になったため、清巌寺に納められた。清巌寺では、本堂の正面東側に露天で置かれていたが、嘉永2年(1849)8月に、暴風のため倒壊し三つに折れてしまったため、明治44年(1911)鉄の枠をもって修復した。
現在は、保存処理を施すとともに、温湿度を一定に保てる収蔵庫を建築し、その中に収蔵されている。