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とちぎの文化財

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1988.04.08

【銅鐘】

  • 文化財種類:県指定等文化財
  • 市区町村:宇都宮市
  • 区分:有形文化財(工芸品)
  • 種類:指定

(どうしょう)

●指定年月日

昭和63年4月8日指定

所在地

宇都宮市大谷町

アクセス方法

 

公開状況  

 

所有者又は管理者

大谷寺

●文化財概要

江戸初期の鐘としては比較的小形である。
竜頭は頭部に宝珠をつけた通常みられるものであるが、笠形を噛む竜首は彫りも深く力強い。笠形の盛り上がりは高く、外周緑の肩も大きく張り出している。乳の間は大きく弧を描いて球状となっているが、鐘身に張りはなく、池の間から下帯まで垂直に下がっている。乳の間には蜴牛形の乳が4段4列に鋳出されているところに古様が見られる。池の間4区には4行~6行にわたり、造鐘の由来、経文(湟経)、願主鋳造年月、鋳工名を記した銘文が陰刻されている。撞座の鋳位置は、竜頭の鼻先方向に2個を設けており撞座は八葉複弁蓮華文で彫りは深く、文様も整っており、蓮房の大きさも鐘身とよく調和している。
なお、撞座中心高は幾分高目(18.0センチメートル)となっているところに古様が見られる。下帯は連続唐草文で飾っている。■の爪は分厚く、大きく張り出しているところに時代の特徴が見られるところである。
銘文によれば、大谷寺中興第4世応賢<宝永7年(1710)示■>が願主となり、宇都宮鋳工戸室定国に鋳造させたものである。鋳師戸室家は江戸初期より宇都宮鉄砲町(現、馬場通り1丁目)に住み、代々宇都宮藩御用鋳物師として多くの作品が遺存するが、本鐘は、現在判明している作品の中でも最古の紀年銘をもつものである。
小形ではあるが、端整な形姿に古様の見られる鐘であり、また、郷土鋳工による江戸初期の作品として指定し保存すべきものと思われる。