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お知らせ埋蔵文化財包蔵地の取扱いと手続き
埋蔵文化財とは? 遺跡がある場所で建物を建てる時はどうすればいいの?? などについて分かりやすく解説しました。
1 はじめに
「文化財」は文化財保護法第2条で、「有形文化財」、「無形文化財」、「民俗文化財」、「記念物」「文化的景観」及び「伝統的建造物群」と定義されています。これらのうち、重要なものを重要文化財、史跡名勝天然記念物等として国が指定選定し重点的な保護の対象としています。県や各市町でも、地域の重要な文化財を同様に指定して守っています。
例えば、日光市の「東照宮陽明門」は特に価値の高いものとして国宝の指定を受けた建造物ですし、下野市の「下野薬師寺跡」は国指定の史跡になっています。これらは後世に伝えるために大切に保護すべきものとして国が指定したものです。このほか、「埋蔵文化財」、「文化財保存技術」も保護の対象とされています。
2 「埋蔵文化財」とは
「埋蔵文化財」とは土地に埋蔵されている文化財のことで、地下に埋まっている過去の人々の生活の痕跡です。そして埋蔵文化財が埋まっている土地を「埋蔵文化財包蔵地」といいます。これはいわゆる「遺跡」と考えていただければ分かりやすいと思います。
縄文時代や古墳時代などの人々の住居跡などは、長い年月を経て土の中に埋没しています。現在では、直接見てもそこで昔の人が暮らしていたかどうか分かりませんが、探す手がかりはあります。それが地表に落ちている土器や石器です。「ムラ」が埋まるときに、使った土器や石器などはそのまま地下に残されています。そして、この土地を畑を耕すなどして掘り返すと、地下に埋まっていた土器などが地上に顔を出します。このような土器や石器が地表で見つかるということは、地下にもそれらが残されており、その場所が遺跡である重要な証拠となります。
これらの情報を基に埋蔵文化財の所在する可能性がある場所を示した地図が遺跡地図で、文化振興課では「栃木県埋蔵文化財地図」を作成しています。文化財保護法では、埋蔵文化財包蔵地の周知は国及び地方公共団体が行うこととされており、その基本となる大事な地図です。県内各市町でも、約半数の市町が分布調査等を行って詳細な地図を作成しています。この地図を基に、遺跡の有無や取り扱いを判断することとなります。
埋蔵文化財は過去の人々の生活の営みを示すものですが、現在の人々の生活のためには、地面を掘り起こすことが必要になる場合もあります。田んぼや畑を作り直すのに掘り返したり、家を建てる時に基礎を作るため地面を掘る必要がでてきます。また、道路を造るなど、行政上必要な工事もあります。それが埋蔵文化財包蔵地で行われる場合には、どうしても遺跡が壊れてしまうことが多いのです。